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勉君に「毎日琉歌詠もーねー!」といわれたものの、早くもネタ切れを起こした多恵子さん。無謀にも与謝野晶子の不朽の名作『みだれ髪』に手を出してしまいましたとさ…。 ここには、『みだれ髪』に収められた多くの歌の中から、十五首ほど抜き出して琉歌風にアレンジして並べてみました。が、原歌とはかなり、かなり違ってしまっています(汗)。勉君が頭を抱えて苦笑いする姿を思い浮かべながら、お楽しみください。
臙脂紫
その子二十櫛にながるる黒髮のおごりの春のうつくしきかな
二十歳美童ぬ 待ちゃる春でもの 目眉黒々と 誇て咲かな
清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき
八重岳ぬ桜 月よ照り勝てぃ 眺めたる人までぃ 美らくなゆさ
雲ぞ青き来し夏姫が朝の髮うつくしいかな水に流るる
雲んまっさーら 上い太陽拝でぃ はまてぃ仕事さな 我が夏どぅやる
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
水んたらたらと 花盛り我身ゆ どけなすみ里前 あさましき者
狂ひの子われに焔の翅かろき百三十里あわただしの旅
里が望みゆら 何ぬ心配ぬあが 一足っし飛ぶさ ロサンゼルス
蓮の花船
紅に名の知らぬ花さく野の小道いそぎたまふな小傘の一人
傘被てぃ何処に 急じ参んしぇーが 紅咲ちゅる道や 涼さあもの
さはいへど君が昨日の恋がたりひだり枕の切なき夜半よ
語てぃ呉るな里前 余所人ぬ事や 傍に並べたる 枕濡らち
人の歌をくちずさみつつ夕よる柱つめたき秋の雨かな
里が歌口に 里姿胸に 秋雨の降ゆさ 我身や一人
白百合
星となりて逢はむそれまで思ひ出でな一つふすまに聞きし秋の声
星々になやい 天で行逢やびら 今や離れても 二人や一道
はたち妻
このあした君があげたるみどり子のやがて得む恋うつくしかれな
早朝に産ちゃる 新たなる命 行く先に世果報 まささ照らち
そのわかき羊は誰に似たるぞの瞳の御色野は夕なりし
芋葉食む山羊ぬ 鳴き声ゆ真似し 里が目に映る 夕闇ぬ空
いさめますか道ときますかさとしますか宿世のよそに血を召しませな
御諌めよするい 道ゆ説ちみしぇみ 誰がし我が心 止めななゆみ
舞姫
まこと人を打たれむものかふりあげし袂このまま夜をなに舞はむ
叩殺すんでぃ言ち 上ぎた手どやしが 思返ちまじや 舞てぃんだな
春思
魔に向ふつるぎの束をにぎるには細き五つの御指と吸ひぬ
メスも持たしゃべら 鋏も持たしゃべら 手術すゆる里ぬ 指ぬ細さ
その夜かの夜よわきためいきせまりし夜琴にかぞふる三とせは長き
嘆息びけい サンシンにのせて ただ弾ちゅる歌や 幾夜迄ん
『みだれ髪』に収められた和歌はJ-TEXTS 日本文学電子図書館(リンクフリー)などで全首検索が可能です。また、近年では俵万智さんが現代日本語訳に挑戦して『チョコレート語訳 みだれ髪』を出版されています。比べてみるとまた新しい発見があるかもしれませんね。
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